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不朽のBL100選ご投票に、感謝 

2019, 12. 05 (Thu) 19:36

嬉しいお知らせを。
めっちゃ長いです。ごめんなさい。

【Honto×ちるちる 不朽の名作 BL100選】の「最深の恋」部門トップテンに、
ガッシュ文庫「背徳のマリア」(イラスト:AZPt様)が仲間入りしました。
皆様が書いてくださった多くの感想が、
ガッシュ編集部から届いております。
拝読して、緊張して、細かな震えが止まりません。

綺月ごときがなにを言うかと思われそうですが、
文章を書き続けて、もうすぐ四半世紀。結構長い……ですよね?
これだけかかってしまいましたが、やっと、
自分は小説を書いていますと、
もし誰かに訊かれても、応えられそうです。小声で。

背徳のマリアが商業誌に掲載された際の、
「こんなものを商業誌に載せるな」という内容の読者評は、
それを目にして以来ずっと、私の心の中で、
痛く、苦しく、つらい、重すぎる石でした。
(まだデビュー前だったこともあり、簡単にポキッて折れました。
いまも簡単にバキッ、ボキッて折れますけどね……汗)
もう乗り越えたと思っていても、なにかあるたびに「私には書く才能がない」と
弱気を増幅させてしまう装置のような。
それを、やっと、本当にやっと、取り除くことができました。
「ちゃんと書いたよ。ここに、こうして残せたじゃん」と。

もう二度と私は、あの批評に心を病むことはないです。
背徳のマリアを書いたせいで……ではなく、
背徳のマリアを書いたおかげで、
私はいまも、物書きとして生きていられる。
こういった受賞ものに無縁の四半世紀でしたが、
今回、初めて「あなたはあなたのスタイルでいい」と、
赦しをいただいたような気持ちです。

誰かの心に残る、なにか。
形あるものではなく、
皮膚に、臓腑に、痕を残せた。
多くの方の心の中で、彼らは生きた。
もしかしたらこの先も、一緒に生きていけるかもしれない。
何年かあとにも本を手に取り、開くという、最高に光栄な再会で。
何度も繰り返し会って、そのたびに彼らの脈動を感じてもらえるかもしれない。
これ、物書きとして、最高じゃないですか。

背徳のマリアの彰じゃないですが、やっと「形」を残せた。
私の中だけに、ではなく、この一票を投じてくださった人たちの中に。
よかったね、彰。
こういうことなんだよ、圭介。
ありがとね、安藤。
そんな思いを噛みしめて、安藤の働きに敬意を表して、今夜は焼酎で乾杯です。



この作品は、元々はイマージュクラブ誌に掲載(黒崎兄弟編&人魚〜)された投稿作です。
デビュー後に同人活動を始めた際、
女の子が子宮外妊娠をしてしまうお話を「体温は証明する」として、
また、彰が暴漢に襲われるお話を「仮面」というタイトルで、読切短編として書き下ろしました。
その後ピアスノベルズ(イラスト・茶屋町勝呂様)で、上下巻のノベルズに編んでいただく際に、
一本の大きな話に繋がるようまとめたのです。
月日が経ち、ガッシュ文庫(イラスト・AZPt様)で出していただくことになり、
上下巻それぞれに書き下ろし短編を加え、完全版といたしました。
上巻には、あえて「あとがき」を入れませんでした。
世界観を壊すことなく、ズルズルに引きずって、
下巻へと進んでほしかったからです。

100選入りして思うことは、
やはり私には、マリアを超える作品は書けないな、ということ(笑)。
でもそれは「多くの方に挙げていただける作品」の意であり、
個人的にはいつも〜も、神崎&那月も、獣も、龍竜も、東西も、
それぞれの時代で、それぞれが、私作品中ナンバーワンです。

物書きにはいろんな執筆スタイルの人がいて、
皆さんそれぞれ書きやすいリズムをお持ちかと思います。

プロットに添って書くことが、
音楽でいえば楽譜を大切にする「クラシック」だとすれば、
私はおそらく「JAZZ」の人間なんだと思います。
そのときの気分で、集まったメンバーで、
あえて音符を書かずにコード譜だけで、
発想のままに展開していく、即興JAZZ。
あらぬ方向へ流れるときも多々あって、
「これって、こんな曲だった?」と、終わってから爆笑することもしばしば(笑)。

誰から行く? と目と目を合わせ、
ピアノが頭から出ると思っていたら、
いきなりベースが食い気味だよ! みたいな(笑)。
相手が紡ぐ音に乗り、けしかけ、ゆさぶり、膨らませ、
どんどん世界を展開していく。
トリオでセッションしていたら、突然アコギが入ってきた、
管もなだれこんできて、ボーカルがスキャットで乱入した! みたいな(笑)。

遠い昔……二十代のころは、昼間は会社勤務でしたが、
就業後はバーやライヴハウスで歌っていました。
クリスマスシーズンともなれば歌い手が足りず、連日連夜。
会社での本業が終わってから駆けつけるため、
初めてのミュージシャンとも、軽い打ち合わせだけで演奏。
命綱は、譜面と耳だけ。
でもそれが、最高に研ぎ澄まされて、スリリングで楽しかった。
ラストを決めず、演奏しながらピアニストと目と目でやりとりしたり。
逆に、決めたエンディングを無視して、強引に何度もリピートしたり。
あのときから、私の人生はアドリブのようです。

なにができるかわからない、どこで終わるかわからない。
ただひたすら、湧いてきたイメージに食らいつく。
そうして誕生したのが、「背徳のマリア」を初めとする初期作品です。
あのときだからこそ、書けた。
その日だから。その時間だから。
あの瞬間じゃなきゃ、そっちの道へは行ってなかった。
もし買い物に出ていたら、その展開はあり得なかった。
なにせ、線路となるプロットがないのだから。

感覚だけで書いているから、毎回が綱渡り。
落ちも決めずに書いている、奇跡と奇跡の、点の繋がり。
そうして書き続けてこられた過去も、
せっせとプロットを立てて、ヒーヒー大汗かいて確認しながら書いている、いま現在も。
ここへ至るすべてが奇跡です、私には。

世知辛い話、
どんな商品が出てくるかわからないのに、発注するクライアントはいませんよね。
私のような執筆スタイルの人間は、どう考えても同人誌向きだなぁと、
いま改めて痛感しています。
24年目に突入しても、まだプロになれないよ……というより、
プロとして成熟していないのに商業本を出し続けてもらえたラッキーにこそ、感謝すべきか(笑)。

奇跡の連続で、二十四年目。
ラッキーや奇跡を運んできてくれる幸せの鳥のおかげですね。
それは誰かと言えば、読み続けてくださる皆様です。
そして担当様、イラストレーター様、書店の皆様、関わってくださるすべての皆様です。

「背徳のマリア」の世界を、私と一緒に楽しんでくださった方。
最後までお読みくださったあとも、この世界を受け入れてくださった方。
誰かに伝われ……と、真摯な感想を誠意を持って伝え続けてくださった多くの方々。
本当に、ありがとうございます。
へにょへにょ人間なのですが、ちょっと強くなれました。
少し、自信に繋がりました。

「不朽の名作100選」で、こんなにも語ってしまった……(笑)。
さて、ご飯だ。
寒いから、あったかいの呑みますね。

永遠のアマチュア(な姿勢の)BL書きですが、
どうかこれからも、よろしくお願いいたします。
投票ありがとうございました。


(」*´∇`)」ありがとー!!!











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